Introdution

 人工衛星、惑星探査機、宇宙ステーションといった宇宙システムには、宇宙プラズマ、超高速微粒子、放射線、紫外線、原子状酸素、真空、熱サイクルといった地上用システムでは想定しない極限環境への耐性が求められます。
 また、機器が故障したとしても気軽に修理を行うことができないため、打上げ前には徹底した検証が求められます。宇宙環境に耐えるモノ作り技術は、宇宙という最後のフロンティアを開拓するために必須の技術なのです。

九州工業大学は、2004年12月に
宇宙環境技術研究センター
(La SEINE: Laboratory of Spacecraft Environment Interaction Engineering)

を設立しました。
 センターの目的は、小型衛星、高速大容量通信、高精度測地、リモートセンシング、物質創成、観光、探検、エネルギー発生といった次世代の宇宙利用を達成するために必要な耐宇宙環境技術の研究開発を行うことです。そして、それらの活動を通じて宇宙活動の発展に寄与し、人類社会に貢献することをミッション(基本理念)としています。
尚、2010年7月7日付けをもって、本センターは
「宇宙環境技術ラボラトリー」と名称変更をいたしました。(英語表記は変更ありません)


現在、宇宙環境技術ラボラトリーは衛星帯電・超高速衝突・宇宙材料・超小型衛星の4分野を主な研究領域とし、以下の3センターで構成されています。
  1. 衛星帯電・材料試験センター (主な活動場所:戸畑キャンパス総合研究棟4階)
  2. 超高速衝突試験センター (主な活動場所:戸畑キャンパス超高速衝突実験施設)
  3. 超小型衛星試験センター (主な活動場所:戸畑キャンパス旧SVBL棟)
これらの3センターでは、外部機関からの委託に応じて、宇宙システムの開発・設計・製作に必須な環境試験を実施しつつ、広範な産学官連携研究を進めています。
また、それら実際の衛星プロジェクトに即した実用的研究のみならず、以下のような事項についての基礎研究を通じて学生の教育を行うと共に、国内外研究機関との共同研究を推進しています。最終的には宇宙環境技術についての世界的Center of Excellenceとなり、同分野に優秀な人材を供給することを目指しています。
  1. 新技術の宇宙実証に向けた小型衛星搭載機器の開発
  2. 宇宙エネルギー利用システム(SSPS)実現に向けた基礎研究
  3. 400V宇宙太陽光発電技術の開発
  4. 軌道プラズマ環境観測データの解析
  5. 宇宙デブリ除去手法の開発
  6. 超高速衝突時に発生する微細破片についての基礎研究
  7. 超高速下での材料の衝撃誘起相変態の計測と基礎研究